内定辞退者にヒアリングするべき3つのポイント

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「他社に決めたので内定を辞退させてください」

私は、この言葉をメールや電話で伝えられたとき、徒労感がドッと押し寄せていました。

「もしかしたら辞退されるかも・・・」

と、覚悟は持ちつつも、この言葉を本当に聞いてしまうと、これまで積み重ねてきたものがガラガラと崩れて水の泡となってしまう。

あなたもそんな経験があるのではないでしょうか。

相手が「内定辞退」を口にした以上、覆すのは難しいと思いながらも、辞退の理由をヒアリングすると思います。

そのとき、呆然としながらなんとなく行うのと、改善点を探す意識で行うのとでは、次の採用活動の結果が変わってきます。

今回は採用活動を成功させるために、内定辞退者にヒアリングするべき3つのポイントについてお伝えします。

目次

内定辞退者にヒアリングするべき3つのポイント

内定辞退は電話かメールで伝えてくるケースが多いと思います。

メールの場合は相手から受け取れる情報量が少ないので、電話で話を聞くことをオススメします。

電話口で、迷いつつ内定辞退を申し出ていることが感じられれば、覆すチャンスが残っているかもしれません。

でも多くの場合は「内定辞退」を口にした時点で腹は決まっているので、覆すのは正直難しいと思います。

そこで改善に向けた情報収集に意識を切り替えていきましょう。

まず、ヒアリングへの協力を依頼します。

例えば

「〇〇さんの◇◇を当社としては高く評価していました。当社で活躍してもらえると思っていたのですが残念です・・」

「ですが他社での活躍を期待していますね!」

などと伝えて「内定辞退」の了承を伝えます。

相手は引き止められたり、文句を言われたりするのではないかと緊張しています。

まず、了承したことを伝えてあげれば安心します。

そのうえで、辞退理由をヒアリングしていきましょう。

ヒヤリングする目的を伝える

辞退理由をヒアリングするときに

「なんで辞退するの!?」

「なぜか理由を教えて!」

と、ストレートにぐいぐい聞いてしまいがちですが、追及されると相手は身構えます。

すると、本当の理由を言わずに「決めた会社の方が志望度が高かったから」など、当たり障りのない言葉しか出てきません。

では、どうすればいいかと言うと、下記のように辞退理由を聞く目的を伝えるのです。

「当社はこれからも、あなたのような優秀な学生さんを採用していきたいし、企業として成長していきたいと思っています。今後の採用活動の参考にしたいので、いくつかヒアリングさせてもらいたいことがあります。協力をお願いできませんか?」

なぜ、目的を伝えるかというと、何かをお願いするとき「理由」があると人は同意しやすいのです。

このことを証明した心理学の実験があります。

コピー機の順番待ちの列の先頭へ割り込んで、次の3通りの伝え方で依頼します。

(1)5枚なのですが、先にコピーを取らせてもらえませんか?

(2)5枚なのですが、急いでいるので先にコピーを取らせてもらえませんか?

(3)5枚なのですが、コピーを取らなければなりません。先にコピーを取らせてもらえませんか?

この実験の結果は、(2)がもっとも高い承諾率となっています。

相手に理由を伝えることで依頼を承諾してもらいやすくなるのです。

ヒアリングを依頼して、相手から「はい」「わかりました」の返事をもらえれば、相手は返事をした以上「答えなければならない」と思ってくれます。

ヒアリングする3つのポイント

ヒアリングするポイントは下記の3つです。

(1)就職を決めた会社の情報
(2)その会社に決めた理由
(3)企業の採用活動で改善したほうがいいと思う点

一つずつ見ていきましょう。

就職を決めた会社の情報

まずは、どの会社に決めたのかを知りたいですよね。

回りくどい聞き方をするよりも、どの会社に決めたのかストレートに聞いてしまいましょう。

スッと答える人もいるでしょうし、言葉を濁す人もいると思います。

答えづらい様子なら、それ以上は突っ込まずに

「社名はいいので、業界や会社規模などを教えてください」

と、伝えて情報を引き出しましょう。

特に同業なら、ある程度の情報を引き出せば、どの会社なのかあたりはつけられると思います。

その会社に決めた理由

その会社に決めた理由を「なぜその会社に決めたのか?」と、「WHY(なぜ)」で聞くと、相手は責められているような気持ちになり態度を硬化させます。

そうすると、「働きやすそうだったから」などと、漠然とした答えしか返ってきません。

それでは改善点をつかめません。

そこで、WHYは使わず、もう少し絞った質問にしたほうが答えてもらいやすくなります。

例えば

・志望度が上がった「出来事」を教えてほしい
・どこに魅力的を感じたのか教えてほしい
・この会社にしようと決断した決め手を教えてほしい

などです。

相手によっては

「人事の担当者が親身になってくれたから」

「現場のリーダーの人柄が良くてこの会社に決めた」

など、出てくると思いますが

そこで終わらせずに、もう一歩踏み込んで

「人事担当者のどのような態度が親身と感じたのか?」

「リーダーのどんな言動から人柄が良いと感じたのか?」

などもヒアリングしていきましょう。

相手に発言してもらった最後に、「他にもなにかあれば教えてほしい?」と聞くと、ポロっと本音が出てくることもあります。

「この会社に入社したい」と思った理由は必ずあります。

その具体的な理由がわかれば改善点を探せますし、次の採用活動の参考になります。

企業の採用活動で改善したほうがいいと思う点

「当社の採用活動に関する不満点や改善点を教えてください」と直接聞いても、相手は言いにくいです。

内定を辞退しているし、採用担当者や会社を否定するような意見は言いたくないですよね。

なので、少し抽象度を高くします。

例えば

「たくさんの会社を見てきたと思うが、企業側が改善したほうがいいと思う点を教えてください」

のように、企業全体を対象にした質問にすれば、相手は答えやすくなります。

企業全体と言いながら、あなたの会社のことを含めての改善点を言ってもらえる可能性も高くなります。

内定辞退されても理由がわからなければ、改善策を立てることができませんし、同じことを繰り返してしまいます。

内定辞退の連絡があったときは、感情的にならず、冷静に情報収集して次の活動につなげましょう。

最後に

内定辞退は、採用担当者にとって精神的ダメージが大きいです。

そして、とくに人が集まりにくい中小企業にとっては死活問題になります。

新しい人が入社しなければ組織は活性化しないし、衰退する一方です。

だから、内定辞退を減らすために少しでも改善していくしかありません。

そのためには、内定辞退者へのヒアリングが欠かせません。

ヒアリングに協力してもらうためには、選考活動の段階から誠実に対応することが必要です。

上から目線や圧迫するような面接をしていては、内定辞退されるだけですし、ヒアリングにも協力はしてもらえないでしょう。

日頃の採用活動にも注意しつつ、内定辞退を減らすための原因を探り、対策を実施していきましょう。

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