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「総務人事はスキルが身につかない」は本当?ウソ?
総務人事はよく「縁の下の力持ち」と言われたりしますね。
この言葉を聞いて、あなたはどう思いますか?
私は半分「そうだ、役に立っている」と思いながら、もう半分は「そう言われても雑務ばかりだしなあ・・」と思っていました。
縁の下の仕事は、実際のところ雑務も多いですよね・・・
昼食のお弁当や事務備品の発注、蛍光灯を取り変えたり、苦情処理や社内調整など。
採用業務、人事制度の運用、社内発表会など重要な仕事はあるけれど、何かを作り出したり、利益を生んだりすることが少ない。
苦情処理や社内調整ばかりでは「専門スキルが身につかない」と思うのは当然です。
でも、本当にスキルが身につかないのでしょうか?
私は、そんなことはなく、会社員としてもっとも大事なスキルを身につけているのが総務人事担当者だと思っています。
今回はそのスキルについてお伝えしていきます。
総務人事はすでに一番大切なスキルが身についている
私も総務人事担当者時代は「スキルがない」が悩みのタネでした。
企画、開発、営業など、なにかを生み出している部署の人間と比較すると「スキルがなにもない」と悩んでいましたね。
総務人事の仕事は幅広いですし、工場、支店、本社では仕事内容も異なります。
私はどれも経験しましたが、まあ、いろいろとやりました。
工場の敷地内で鳥の死骸を見つけて埋葬したり、草刈り機をブンブン回して雑草を刈り、工場壁面の補修にペンキを塗ったり。
変わったところでは
「ストーカーにつきまとわれているから家まで一緒に帰ってほしい」
「望まない妊娠をしたかもしれない。。どうすればいいか相談にのってほしい」
「ライバル企業への転職相談にのってほしい」
などなど
相談にきてくれるのはうれしいけれど、「これではなんのスキルも身につかない・・・」と、いつも嘆いていました。
あなたも私と同じような経験をお持ちではありませんか?
でも、いろんな人と関わっていると、仕事をするうえで一番必要なスキルが自然と身についているものです。
それは、コミュニケーションスキルです。
コミュニケーションという言葉からは、つかみどころがなく、ぼんやりとしていて、誰にでもあるように感じるかもしれません。
でも、
「どうして私に相談にきてくれるだろう?」
「やさしそうな雰囲気があるから相談しやすいのかもしれないな」
「相談したいと言われたときイヤな顔はしないようにしているな」
「そういえば、相手の話は最後まで聴くようにしているな」
「なんとか助けてあげられないかな、と思いながら聴いてるな」
「相談を受けたとき、なにかしらの対策案を伝えているな」
など、自問しながら掘り下げていくと
「ああ、そうか! 自分には人の相談に対応できるスキルがあるんだな」と、気づくことができるのです。
普段の雑務に見える業務でも、掘り下げていくと自分が持っているスキルを具体化していけます。
普段から人に関する業務をしている総務人事担当者であるあなたは、こうしたコミュニケーションスキルをすでに持っているのです。
「人の相談にのるくらい誰にでもできる」と思わないでくださいね。
できない人はごまんといますよ。
・相談にのっても、面倒くさいという表情がはっきり見える人
・相手ではなく自分のパソコンを見ながら話をする人
・話を最後まで聴かずに「〇〇しないからだよ」と一方的に結論づける人
あなたは、こんな人達とは違うのです。
「もしスキルがない」と考えているのなら「コミュニケーションスキル」を掘り下げて具体化してみてください。
自分の言葉でOKです。
「〇〇の相談にのれるスキル」
「〇〇の対応策を伝えられるスキル」
など、言葉にしてみると、コミュニケーションというぼんやりしたスキルが、具体的な形になります。
そうすると、自分のスキルとして捉えやすくもなるのでオススメです。
掘り下げたスキルを他に転用できないかイメージする
例として、人の相談にのれるスキルがあると思えたなら、それを他の仕事に転用できないかイメージしてみてください。
「部下との1on1面談するときにも使えるな」
「管理職研修などで教えることができるな」
「ハラスメント相談窓口をするときにも使えるな」
など。
何に転用できるのかイメージしてみましょう。
そうすると「自分の持っているスキルって結構使えるな!」と、思えてきませんか?
そう思えたら、次は実際の仕事に取り入れてみてください。
スキルを伸ばせるし、経験値も上がるし、自信にもつながります。
コミュニケーションスキルの裏づけを持っておく
総務人事担当者は「コミュニケーションスキル」があるとお伝えしました。
ただし、「私にはコミュニケーションスキルがある」と思っても、その裏づけがないと、他人にも言いづらいし、アピールしづらいですよね。
先ほど例としてあげた
・相手の話を最後まで聴く
・イヤな顔はしない
・「なんとか助けてあげられないかな」と思いながら聴く
などは、カウンセラーなどの専門家が話を聴くときにも使われる手法です。
普段なにげなくやっている行動は、心理面からも見ても有効だとわかりますね。
他にも、社員に納得してもらう、同意を取り付ける、協力してもらう、など
あなたが日常業務として行っていることも、実は気づいていないだけで心理的手法を取り入れていることもあるのです。
だから心理スキルも勉強しておくと、自分のコミュニケーションスキルに対して裏づけがとれるようになります。
そうすれば「自分にはコミュニケーションスキルがある、なぜなら心理学でも使われている手法を駆使しているから」
と、他人に説明できますし、自信も持てるようにもなります。
なので、総務人事担当者の人には、仕事に心理スキルを取り入れていくことを私はおすすめしています。
最後に
総務人事は苦情処理や社内調整なども含めて、雑務が多いですから「スキルを持っている感じがしない」のもよくわかります。
企画力、開発力、営業力など、「部署の名前+力」の言葉はよく使われますが「総務力」「人事力」とはあまり言われない。
「自分には突出した力がない」「専門力がない」と思うかもしれませんが、あなたの中には日々の業務で培ってきたコミュニケーション力があります。
あなたのコミュニケーション力を自問しながら掘り下げて、もっと具体化してみてください。
私が起業してもっとも感じるのは、このコミュニケーション力の大切さです。
商売をしていくためには、なにより信頼関係が大切です。
信頼関係をつくっていくために最も必要なのはコミュニケーション力です。
いくら資格を取って知識武装しても、ネットを使えば誰でも無料ですぐに探し出せますよね。
知識に関する優位性はどんどん薄れています。
でも、コミュニケーション力は、会社員としても起業しても欠かすことのできないものです。
その力をあなたは持っている。
ぜひそのことは忘れずに、そのチカラを磨き続けてくださいね。