総務担当者だからできる失敗しない助成金申請のコツ

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あなたの会社では「助成金」をフル活用していますか?

「雇用調整助成金」の申請だけでは非常にもったいない。

助成金は返済する必要のないお金なので、会社にとっては大きなメリットになります。

でも申請は複雑で、労働法や、就業規則、給与計算等がわかっていなければ申請できません。

だからこそ、それらを理解している総務や人事担当者が活用できるのです。

外部に委託せず、自分で申請できるようになれば会社に直接的な利益をもたらします。

それは、他者と差別化でき、あなたの市場価値を高めることになります。

今回は、総務、人事担当者が助成金を申請するときのコツについてお伝えします。

目次

総務担当者だからできる失敗しない助成金申請のコツ

私は、会社員時代、ある営業マンから「総務や人事はお金を生まない、俺たちが食わせてやっている」と、言われたことがあります。

その言葉を聞いたとき、怒りで頭に血が登りましたが、言い返せませんでした。

なぜかというと、お金を生まないのは事実だったからです。

でもそのときはまだ、助成金の存在を知りませんでした。

助成金が申請できるようになれば「総務や人事はお金をうまない」とはもう言われません。

金額換算すれば、売上 1,140万円相当になる

通常、総務や人事担当者はコストダウンに貢献することができても、直接お金を生むことはできませんよね。

でも助成金なら、お金を生むことが可能です。

助成金のひとつに「キャリアアップ助成金」があります。

例えば、有期契約社員を正社員へ転換した場合、57万円が受給できます(金額は令和4年度)

57万円。

たったそれだけ・・と思います?

仮に、会社の商品の利益率が5%、純利益 57万円と考えれば、売上額としては「1,140万円相当」になります。

1,000万円超えですから、中小企業にとっては、めちゃくちゃ大きいですよね。

経費は、担当者の人件費くらいですから、外部に出ていくお金はありません。

つまり、助成金が申請できれば会社に対して大きな貢献ができるのです。

助成金の概要を理解する

一般的に国からもらう給付金は、助成金や補助金と呼ばれていますが、その違いを表にしてみました。

助成金補助金
管轄厚生労働省経済産業省
返済義務なしなし
受給要件受給要件を満たせば原則100%受給できる。(ただし予算切れで受給できない場合もある)・事業の内容や社会的必要性を書類で訴える必要がある。
・評価の高いものから採択され、要件に合致しても受給できないことがある。
お金の支払時期後払い後払い
対象採用関連(雇い入れ)、人材育成、育児・介護関連など、労働環境等を改善した場合に支給される。事業に必要な設備投資費、販路開拓、新商品開発費など、事業活性化を図る場合に支給される。

助成金は要件を満たせば高い確率で受給できますが、補助金は要件を満たしていたとしても審査で落とされる場合があります。

助成金は要件をしっかりと把握し、法違反することなく社内整備すれば高い確率で受給できます。

取り組むメリットは補助金より大きいです。

どんな会社が受給できるの?

助成金は国の制度のため、受給するためには、それぞれ要件があります。

雇用保険の適用事業所であること

つまり雇用保険に加入している従業員が1名以上いることが必要です。

労働保険料(雇用保険、労災保険)の滞納がないこと

毎年、労働保険更新の手続きをされていると思いますが、この保険料を滞納していないことが要件です。

申請に必要な基本書類が用意されていること

労働条件通知書または雇用契約書

労働条件通知書を作成し従業員に交付することが法的に義務付けられていますが、行っていない会社が多くあります。

労働法を遵守した内容で書かれた労働条件通知書または雇用契約書が必要です。

出勤簿(タイムカード)

手書きでも構いませんが、出社日、休日、出社時刻、退社時刻、残業時間などが書かれており、労働時間管理をしていることがわかる出勤簿が必要です。

賃金台帳

基本給、残業手当、諸手当、賞与など、支給金額がわかる賃金台帳が必要です。残業手当は正しく計算されている必要があります。

就業規則

助成金によっては、就業規則だけでなく、育児介護休業規程、労使協定なども必要になります。


労働法に違反していると助成金は受給できません。

サービス残業をさせている、休日出勤時の割増手当を支給していない場合などは受給できません。

法の遵守が大前提です。

会社の規模は関係あるの?

助成金は、中小企業が優遇されています。大企業も申請できますが、受給額は中小企業のほうが大きくなっています。

例として、キャリアアップ助成金(有期契約社員を正社員化するコース)の場合、中小企業は57万円、大企業は42万7500円になります。(金額は令和4年度)

中小企業の範囲は次のとおりです。

以下の①または、②のいずれかに該当すれば、中小企業となります。

業種①資本金または出資額②常時雇用する社員数
小売業5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他3億円以下300人以下

上記は助成金によって異なります。

常時雇用する社員数には、正社員だけでなく、正社員と同じ時間働く契約社員も含まれてきますので、都度確認してください。

個人事業者も受給できるの?

株式会社だけでなく、社会福祉法人、個人商店、会計事務所、設計事務所等でも雇用保険に加入している社員が1名以上いれば対象になります。

助成金の種類

助成金は毎年4月に内容が変更されます。新設、マイナーチェンジもあれば、廃止されるものもあります。

種類は20~40種類ほどありますが、1種類の助成金の中に、複数のコースが設定されていることも多く、全体で見れば、この倍くらいになると思います。

国だけでなく都道府県や市町村が管轄している補助金等も入れると、国内で3,000種類くらいあると言われています。

助成金の申請先

助成金の申請先は、助成金ごとに異なりますが、主に以下の3つです。

助成金ごとに申請先を確認する必要があります。

各都道府県の労働局

労働局の中でも、助成金の内容によって申請先の部署が異なります。

ハローワーク

会社の所在地を管轄するハローワークが窓口になっています。

都道府県によっては、助成金を専門に受付する部署を設置しており、「ハローワーク助成金デスク」「ハローワーク助成金センター」などと呼ばれています。

独立法人高齢・障害・求職者雇用支援機構

 厚労省の外郭団体で、都道府県ごとに支部があります。

助成金申請を失敗しないためのコツ

助成金の案内冊子を読み込む

助成金の詳細については、厚労省のホームページに掲載されています。

インターネットで「助成金 厚労省」と検索すれば、すぐに見つけられます。

詳細が書かれた案内冊子がダウンロードできますので、まずは、この内容を読み込むことから始めます。

理解できない箇所があれば、窓口に電話で問い合わせましょう。

直接訪問しても問題ありません。

窓口担当者は丁寧に教えてくれますから、気兼ねなく利用しましょう。

都道府県によって申請書類が異なる

基本的な書類様式は同じですが、都道府県によっては追加の書類を求められたり、新たな要件が追加されたりします。

ほとんどの助成金の最終決裁者は、各都道府県の労働局長です。

都道府県ごとの横の繋がりはなく、情報共有されていません。

そのため、都道府県ごとの独自決裁となるため、A県では申請可でも、B県では申請不可となるケースがありますので、事前確認が必須です。

助成金の窓口担当者によって説明内容が異なる

窓口担当者は、入退社や異動、部署変更などがあるので、不慣れな場合もあります。

事前に確認していても以前と異なることを言われたり、聞いていなかった書類を求められたりすることもあります。

とくに毎年4月は、助成金が一斉に変更されるので、窓口担当者も内容を把握していないことが多いです。

申請する側としては、窓口担当者によって説明内容が異なるというのは、悩ましいところですが

書類に不備があった場合でも即不支給とはならず、事前に連絡してくれる割合が高いです。

指摘を受けた時点で速やかに修正申請すれば大丈夫です。

助成金の審査は年々厳しくなっている

助成金の審査は年々厳しくなっています。書類審査だけでなく、窓口担当者が現地調査のため会社に訪問するケースも出てきました。

それでも、法を遵守して、しっかりと労務管理していれば、なにも恐れる必要はありません。

社員を「解雇」していると助成金は受給できない

会社都合で解雇した従業員がいる場合や、助成金受給時に解雇した従業員がいた場合などは、受給不可となる場合があります。

助成金によって条件が異なるので注意してください。

申請に費やした時間や労力が無駄になってしまいます。

残業代を法定通り支給しないと助成金は受給できない

助成金の審査では、出勤簿と賃金台帳を照合し、残業代は支払われているか、計算はあっているか、休日出勤手当は出しているかなど、細かくチェックされます。

法定通り処理していれば、チェックされても何の問題もありません。

日頃から、法令遵守で取り組んでさえいれば、助成金は受給しやすいと言えます。

受給するまでかなりの時間がかかる

助成金の種類にもよりますが、申請から受給まで6ヶ月~1年くらいかかります。

審査によっては、何度も修正を依頼されることもありますから、手間と時間がかかります。

新たな制度を導入した場合、簡単に廃止できない

助成金を受給するには、就業規則を改定し、新たな諸制度を導入するケースが多いです。

助成金の支給対象となる制度は、従業員にとってメリットのある内容となります。

従業員にメリットがあるということは、会社にとってデメリットになると考える経営者もいて

「助成金が受給できたので、その制度をすぐに廃止しよう」とした経営者に出会ったこともあります。

それは従業員にとって不利益変更になるので容易には認められません。

最後に

助成金申請は難しく感じるかもしれませんが、わからないことは窓口で丁寧に教えてくれます。

まず、ひとつの助成金に取り組んでみてください。

そうすると流れがわかるし、注意するポイントも見えてきます。

助成金の申請には手間と時間がかかります。

だから、助成金のことを知っていても申請していない会社が大多数です。

でも、ここで助成金申請を経験しておくと、転職したときもすぐに活用できますし強みにもなります。

ぜひ、挑戦してみてください。

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