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部下とのコミュニケーションに苦手意識を抱えているあなたへ、3つの対処法とは?
部下に声をかけるのイヤだな・・
自分ひとりでなにもかも出来てしまえば楽なのに・・
あなたは、部下とのコミュニケーションに苦手意識があり、うまく接することができず悩んでいませんか?
部下とのコミュニケーションが大切なことは百も承知だけれど、苦手意識があるので距離を置いてしまう。
そのままにしておくと信頼関係が築けずチームワークが悪化してしまう可能性があることもわかっているけれど、どうしたらいいかわからない。
そこで、今回は部下とのコミュニケーションに苦手意識を抱えている人に向けて、有効な3つの対処法をご紹介します。
部下とのコミュニケーションに苦手意識がある理由
はじめに、部下とのコミュニケーションに苦手意識がある理由を考えてみます。
理由のひとつとして、よくあげられるのが「コミュニケーションスキルの不足」です。
たしかに傾聴や共感、フィードバックなどのコミュニケーションスキルは大切ですが、それが根本理由だとは思えません。
なぜなら、リーダーや上司として任命されている時点で、すでに基本スキルはお持ちだと思うからです。
スキルの幅に違いはあるでしょうが、会社はコミュニケーションスキルがない人をリーダーに任命したりはしません。
私はスキルではなくて、次のような心理的な理由があるからと考えています。
自己肯定感が下がっているから
自己肯定感とは
まずは「自己肯定感が下がっている」ことが理由としてあげられます。
ここで自己肯定感について少し説明しますね。
自己肯定感とは「自分を受け入れ自分の価値を認めている感覚」のことです。
「自己を肯定する感覚」と書きますから、ただありのままの自分を認めることだとも言えます。
ここで気をつけるべきポイントは「肯定」≠「良い」です。
どういうことかというと、肯定するとは「自分=良い」と評価することではありません。
例えば、自分には「〇〇という良いところがある」と、なにかしらの評価を入れてしまうと、逆に自分には「▢▢という悪いところもある」という評価が出てきてしまいます。
「評価」というモノサシを入れると「良い」「悪い」で自分のことを判断してしまうのです。
でも、そもそも人は良いと感じることも、悪いと感じることも、全部ひっくるめて存在していますよね。
「自分=良い」だけの人なんて存在しないわけです。
つまり、自己肯定するということは、自分を良い悪いと評価するのではなくて、「〇〇も▢▢も自分の中にあるよね」と、そのまま受け入れることです。
自己肯定感が下がると苦手意識が膨らむ
今、あなたは、部下とのコミュニケーションに苦手意識があることを「悪い」ことだと考えていませんか?
それは自分を評価していることになります。
苦手意識がある自分を受け入れておらず、責めていることになるので自己肯定感が下がっていきます。
自己肯定感が下がると、自分を否定したり、部下からの評価に対して必要以上に気を配ったりしてしまいます。
だから、ストレスが増える、自信を喪失する、などにつながり、ますます苦手意識が膨らんでしまうのです。
不安や恐れを感じているから
2つ目の理由は「不安や恐れを感じている」からです。
リーダーとして、うまく伝えられなかったり、誤解を受けることや反発されることが怖い・・
部下に動いてもらわないと、抱えている仕事が進まなくなる、リーダー失格と評価されるのではないか・・・
私は会社でリーダーをしていたとき、このような不安や恐れを感じていました。
不安や恐れを避けるため部下に気を使い、当たり障りなく接していたこともあります。
自分から積極的にコミュニケーションを取ろうとしていませんでしたから、チーム内のまとまりが悪くなり、結果がついてこない苦い経験もしました。
あなたも私と同じような経験がありませんか?
承認欲があるから
3つ目の理由は「承認欲がある」からです。
リーダーであれば、自分のリーダーシップや仕事の能力などに対して部下から承認されることを望んでいると思います。
部下に自分の存在や能力を認めてもらえれば、それはうれしいことですよね。
でも、逆に言えば、自分の指示どおりに部下が動かなかったり、反発されたりして承認欲が満たされないと「自分はリーダーとしてダメだ・・・」と考えてしまう。
もしくは、承認してもらうために、言いたいことを我慢したり、相手にあわせるような態度を取ってしまいます。
これでは不満、自己否定などの感情を抱くことになりストレスが増加します。
部下とのコミュニケーションがさらに消極的になり苦手意識が膨らんでいきます。
部下とのコミュニケーションに苦手意識がある人への有効な3つの対処法
自己肯定感をあげること
まず1つ目は「自己肯定感を上げる」ことです。
そのためにやることは「すべてを認めて受け入れる」ことです。
認めて受け入れるとは、自分を良いとか悪いとか評価するのではなく、ただそのままの自分を受け入れ認めることです。
もっと簡単に言うと、自分自身に優しくなることです。
「部下と話をするのがイヤだ・・・」と思っている自分がいるのなら、「イヤだと思っているんだな、わかったよ」と自分に声をかけてあげる。
「リーダーとして認めてもらえないかも」と感じているのなら「認めてもらえないかもと自分は感じているんだね」と、つぶやいて受け入れる。
このように、感情が出てくるたびに自分に優しく接していきます。
これを続けていくと、自分の感情に対して客観性が保てるようになります。
私たちは苦手意識のあることやストレスなことに直面すると、ネガティブな思考や気持ちに飲み込まれてしまいがちですが、客観性がもてると、飲み込まれることを防いでくれます。
すると、だんだんと自己肯定感が上がっていきます。
自己肯定感があがると、自分の価値を認められるようになり心に余裕が出ます。
自分の考えや行動に自信を持てるようになり、部下への苦手意識も和らぎます。
相手に視点を向けること
2つ目は「相手に視点を向ける」ことです。
さきほど苦手意識がある理由のひとつとして「承認欲がある」とお伝えしました。
承認欲とは「部下から認められたい」という欲のことです。
この欲があると、ずっと承認を求め続けることになります。
でも、承認するかしないかは、すべて相手次第です。
「承認してくれ!」といくら叫んだところで、自分にはどうすることもできない領域の話です。
だから、この承認欲を消してしまえばいいのですが、そんな簡単には消せないですよね。
そこで、おすすめしたいのは、相手に視点を向けることです。
承認欲があるときは、常に自分に視点が向いています。
自分が承認されるかどうかばかりを考えているから欲が出てきてしまうのです。
そこで、自分ではなくて部下に視点を向けていきます。
- この部下はいったいどんな価値観があるのか?
- 仕事をするうえでなにを大切にしているのか?
- どんな考え方をしているのか?
- どんな仕事のしかたをしているのか?
などのように、日頃から部下に視点を向けて観察していると、自分に視点が向かないから欲が抑制できます。
観察して気づいたことは、面談や雑談などで話をしてみましょう。
例えば「あなたは〇〇を大切にしながら仕事をしているように感じたのだけれど、どうかな?」と聴いてみてください。
「〇〇」が正しいかどうかは関係ありません。
間違っていれば、相手が「そうではなくて、〇〇なんです」と返してきます。
部下からすると「この人は私が大切にしているものを知ろうとしてくれている」と思うので不機嫌になることはありませんから大丈夫です。
このような小さなコミュニケーションを増やしていくと、苦手意識が緩和されていきます。
マインドを変えること
3つ目は「マインドを変える」ことです。
ここでいうマインドとは「出来事のとらえ方」と考えてもらえればと思います。
例えば、部下から反発されることを恐れているのなら「自分の意見を言う=反発され仕事が進まなくなり怖い」のようなマインドを作ってきたのかもしれません。
(昔の私はこのマインドを持っていました)
怖いことを感じたくないから、部下に対して当たり障りなく接したほうがいいという価値観を持っていたとも言えます。
こうしたマインドは、人それぞれの人生経験から作り上げてきたものです。
良い悪いは関係なくて、マインドによって出来事のとらえ方が変わってくるのです。
では、こうしたマインドをどう変えていけばいいのでしょう。
オススメするのは、意図的に自分の意見をグイッと伝えてみることです。
私が実践したときは相手が微妙な表情になることもありました。
でも、実践してみると「あれ、意外と平気だな」「意見を言っても問題ないな」と気づくことができたのです。
これは私にとって大きな経験でした。
こうした経験を積み重ねていくと、「自分の意見を言う=反発され仕事が進まなくなり怖い」の「=」がだんだんと弱まっていきます。
このように小さな行動からでいいので、実践してみると変化を感じることができるはずです。
このとき、ただマインドを変えていくという気持ちだけだと実践するのが苦しいかもしれません。
そこで、おすすめは「なりたいリーダー像」をイメージしておくことです。
そのリーダー像に近づいていくためにマインドを変えてみよう!という気持ちでいると、モチベーションが高まり実践しやすくなります。
最後に
今回は、部下とのコミュニケーションに苦手意識を抱えている人に3つの対処法をご紹介しました。
リーダーになられた方は、すでに基本的なコミュニケーションスキルはお持ちだと思います。
そのスキルを高めることに注力する前に、今回お伝えした方法で心理面を変えていくほうが早く効果が出ます。
明日から苦手意識をゼロにはできませんが、実践していくことで少しずつ部下とのコミュニケーションに自信を持てるようになっていきます。
その自信が素晴らしいチームを作り上げ、さらにはあなたの充実した仕事人生につながっていくと信じています。