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総務人事に必要な調整力を高めアピールスキルに変えていく方法
総務人事の仕事は「調整ばかりでスキルが身につかない」と思うことはありませんか?
私もそのひとりで「いくら調整力があっても自分の強みにはならない」と考えていました。
それに「調整力」と言っても、なんだかぼんやりしていて、スキルとは思えなかったのです。
でも、調整力を分解して考えてみると、アピールできるスキルになるし、さらに高めていくポイントがわかってきます。
今回は「調整力」を分解し、さらに高めていく方法についてお伝えします。
総務人事に必要な調整力を高めアピールスキルに変えていく方法
株式会社月刊総務が、全国の総務担当者に「仕事で必要なスキルはなにか?」とたずねたランキング結果が下記になります。
1位 調整力
2位 コミュニケーション力
3位 トラブル処理力
引用:株式会社月刊総務「総務のキャリアに関する調査」より
1位は「調整力」であり、「たしかにそうだよな」と思う人も多いでしょう。
でも、この調整力とは、なんだか抽象的でいまひとつわからない。
あなたは、総務人事担当者として様々な調整をされてきたと思いますが
「あなたが身につけている調整力を具体的に説明してください」
と、言われると困りませんか?
これまでの経験を頼りに調整してきたから、言語化したことがないかもしれません。
でも、言語化してみないと自分の調整力をどのように高めていけばいいのかわからないですよね。
そこで、調整力を少し分解してみたいと思います。
総務における調整力を定義してみると?
総務人事の仕事でいえば
採用スケジュールの調整
クレーム対応の調整
外部業者との価格調整
他部署の協力を得るための調整
などなど、上げればキリがないですが、
調整力を私なりの言葉でまとめてみると
自分の中に「こうしたい」という着地点があって、そこに着地させるために相手に納得してもらうこと、だと思うのです。
それもゴリ押しや圧力などで納得してもらうのではなく、気持ちよく納得してもらうことができればベストです。
では、相手に気持ちよく納得してもらうにはどうすればいいのでしょう?
それには相手からなにかを依頼されて、自分が納得したときのことを考えてみるとわかりやすいと思います。
例えば、社内の営業課長から
「来月、大きな会場で当社の商品展示会が開催される。人が足りないのであなたにも協力してほしい」と、言われたとします。
でも、その時期は給与計算などで忙しいから断りたい気持ちもある。
こんなとき、あなたはどう判断するでしょう。
相手と信頼関係があるとき
あなたと営業課長との間に信頼関係があれば
「あの人が言うのだから本当に困っているのだろう」
「なんとか協力できないだろうか」
と、考えるのではないでしょうか。
一方、普段からあまり接点がなく、信頼関係がなければ「断る理由」しか考えません。
自分にメリットがあるとき
では、営業課長から、次のように展示会に参加するメリットを言われたらどうでしょう?
「あなたは採用担当もしているから営業商品を理解しておくと学生さんに説明しやすいよ」
「他社もたくさん出展するので業界の動向がわかって採用説明会でのネタになるよ」
「営業社員の仕事ぶりを見られるから今後の教育体制づくりの参考になるのではないかな」
などと言われれば、協力してみようかと思うかもしれませんよね。
何が言いたいかというと
調整するときに、信頼関係が構築できていたり、相手のメリットを説明できれば、納得してもらいやすいということです。
信頼関係を築くには少し時間が必要ですし、その方法はまた別の記事でお伝えしたいと思いますが、相手の立場に立ってみて、なにかメリットがないかと探して伝えることは、すぐにでもできそうだと思いませんか。
メリットを広げていく方法
そう言われても「メリットが思いつかない」と、思われるかもしれませんが、ひとつでも思いつけば広げていけます。
先ほどの例を使って説明しますね。
「あなたは採用担当もしているから営業商品を理解しておくと学生さんに説明しやすいよ」
「説明できるようになれば、学生さんは営業の仕事内容をイメージできるようになるよ」
「そうすれば、学生さんは働いているイメージがよりわいて、きっと志望度も高くなるよ」
このように「~なれば」「そうすれば~」という仮定の表現でも伝えられますよね。
あくまで仮定なので現実になるかどうかは別ですが、相手にメリットと思ってもらえればいいわけです。
仮定表現はメリットをさりげなく広げていくことができるので活用してみてください。
調整力を高めるために必要な複数の視点
「三方良し」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
商売の基本として近江商人(滋賀県)が大切にしたきた
売り手よし
買い手よし
世間よし
3つのすべてにとって良い商売を心がけるべしという意味の言葉です。
これは商売だけでなくて、仕事で調整するときも同じことが言えます。
自分の視点
相手の視点
客観的な視点
この3つの視点で物事や出来事をとらえるのです。
仕事でなにかを調整するときは、「こうしたい」という自分視点の着地点のみを考えがちです。
そうすると、無理に押し通そうとしたりして、相手の反発が強くなり話がこじれてうまく調整できなくなる。
でも
「相手の視点に立ったらどうだろう?」
「会社全体の視点に立ったらどうだろう?」
と、複数の視点でとらえることができると、
「どういう調整内容ならイエスと言ってくれるのか・・」
「嫌がるのはどんな内容か・・」
などが見えてきます。
このように視点を使い分ける方法は、心理スキルのひとつとしても活用されています。
ポイントとしては、イメージの力を使って相手になりきってみることです。
目をとじて、頭の髪先から肩、指の先、腰、太もも、足の爪先、そして細胞レベルまで、相手になりきってみます。
相手になりきって、なにを大切に仕事をしているのか、なにを気にしているのか、なにを考えているのか、じっくりと感じてみるのです。
あらかじめ、相手のことを観察しておくことは必要ですが、相手が大切にしている価値観などを感じ取れれば、双方が納得できる着地点を探し出していけます。
詳しいやり方は割愛しますが、総務人事の業務はこのような心理スキルを勉強しておくと役に立つことが多いです。
3つの視点で考えていくことを日常に取り入れてもらえれば、どの視点が自分に不足しているのか把握できます。
その不足している視点を補っていけば、あなたの調整力もさらにレベルアップしていけますので、参考にしてみてください。
最後に
今回は総務人事に必要な調整力についてお伝えしてきました。
日常業務は社内調整ばかりで「スキルが身につかない」と思われているかもしれませんが、そんなことはありません。
あなたの中には「調整力」というスキルがあります。
ただし「調整力」という言葉からは「スキル感」がないのも確かですね。
そんなときは、今回のようにスキルを分解して考えてみてください。
「物事や出来事を常に3つの視点で考えることができる」
「だから相手の立場にたった提案ができる」
など、具体的な表現に変えていけば、スキル感が出てきます。
ご自身の「調整力」を言語化したことがなければ、ぜひやってみてくださいね。
自分の中にスキルがあることを実感できると思います。