50代で「やりたいことがわからない」人への処方箋

「定年後はやりたいことをしよう」と思っていた。
だけど、いざその時期が近づくと「自分のやりたいことって何だっけ?」と思うことありませんか?
ゴルフはそこそこ楽しいけれど、会社の付き合いがなければ気が乗らない。
他の趣味を探しても、どれもピンとこない。
結局、やりたいことがないまま「定年後はどうしようか・・・」と悩む人は多いです。
実はコレ、これまで会社員として頑張ってきたからこそ抱える悩みなんです。
この記事では、やりたいことがわからない理由と、その処方箋をお伝えしていきます。
「やりたいことがない」のは、まじめに働いてきたから

あなたが長年会社で働いてこられたのであれば、自分がやりたいことよりも
- 「会社が求めること」
- 「上司から指示された目標」
- 「部下の育成」
などを優先してきたはずです。
組織で働く以上、当たり前のことですよね。
でも、その反面、「自分は何をしたいか」を考えなくなります。
毎朝早く出社して、会社の指示で仕事をして、夜遅く帰宅する日々の中で考える時間もありませんよね。
こうした日常を何年も繰り返しているわけですから「自分のやりたいことってなんだろう?」と自問しても出てこないのです。
でも、これって「やりたいことがない」のではなく、「やりたいことを考えてこなかっただけ」とも言えますよね。
「趣味を見つけろ」は的外れなアドバイス

定年が近くなると、周りから「今のうちに趣味を作っておいたほうがいいよ」と言われます。
定年後、時間があるから「やりたいことをやったほうがいいよ」というアドバイスですね。
そこで陶芸教室、スポーツジム、旅行、ゴルフなどをやってみるわけですが、あまり長続きしなかったという声を聴きます。
なぜなら、定期的にやっていれば飽きがくるし、なんとなく満たされない感覚があるからではと思うのです。
満たされないのは、長い間、会社員として「誰かの役に立つこと」「結果を出すこと」の中にやりがいを感じながら働いてきたからです。
だから、趣味の時間だけでは物足りなく感じるからではないでしょうか。
実際、50代以降になると、「社会の役に立ちたい」という気持ちが強くなる傾向があります。
内閣府の「社会意識に関する世論調査」では、「社会のために役立ちたい」と答えた人の割合は、50代・60代が他の年代と比べて高い結果が出ています。
つまり、50代以降の人が本当に求めているのは「遊ぶ時間」ではなく、「自分が誰かの役に立っている実感」である可能性が高いのです。
「趣味を探してやりたいことを見つけろ」というアドバイスは的外れと言えます。
自分の「やりたいの源泉」を、過去の経験から探す

それならば、「誰かのために役立てる」ことの中から、自分の「やりたい」を探したほうがいいですよね。
では、「誰かの役に立つ」ために何が必要なのか。
多くの人が「新しい資格を取らなければ」「今からスキルを身につけなければ」と考えます。
でも、新しく資格を取得したり、スキルを身につけたりする前に、まず過去を振り返ってみてほしいのです。
なぜなら、あなたはすでに、長年かけて誰かの役に立てる経験を積んできているからです。
やること①:「乗り越えた経験」を書き出す
まずは、これまで仕事やプライベートの中で経験してきたことを書き出してみてください。
特別なことでなくていいです。
- チームの対立を調整した経験
- プロジェクトが崩れかけたのを立て直した経験
- 部下の失敗をフォローした経験
- 育児や介護と仕事を両立した経験
- 理不尽な状況をなんとか乗り越えた経験
「そんな話、誰でも持っているでしょう」と感じるかもしれません。
確かに、似たような経験をしている人はいます。
でも、「チームがまとまらなくて困っている」「部下をどう育てればいいかわからない」という悩みを抱えている人は、今この瞬間も大勢います。
そういう人たちが求めているのは、教科書的なアドバイスではなく、実際に同じ壁にぶつかって乗り越えてきた人の話です。
同じ壁にぶつかったことがある人にしか、「どう乗り越えたか」を具体的に話すことはできません。
あなたの経験は、そのまま誰かが求めている話になるのです。
やること②:「それで誰が助かるか」を考える
書き出した経験を眺めながら、「今、同じ状況で困っている人は誰だろう?」と考えてみてください。
例えば、「パワハラ気質の上司のもとで、気持ちをコントロールしながら乗り越えた経験」があるのなら、
「今まさに同じような上司に追い詰められている人」を助けられると思いませんか?
「育児や介護と仕事を両立してきた経験」を書き出して、「同じ状況で追い詰められている30代の女性」を思い浮かべたとき、
「あのとき自分がほしかったアドバイスを、伝えられるかもしれない」と思いませんか?
この2つをやってみると、「あ、これをやってみたい」が出てくる

①と②を実際に書き出してみると、「自分はこういう経験なら話せる」「この人の悩みなら力になれそうだ」と感じるものが、いくつか出てきます。
その中に、「これやってみたい!」と思うものがありませんか?
このように過去を振り返ってみると、「やりたい」という感覚が、自分の経験と誰かの悩みが結びついた瞬間に自然と出てきます。
これが「やりたいこと」の出てくる瞬間です。
頭の中でいくら「やりたいことは何か」と考えても出てこなかったものが、「誰かの役に立てるか」という視点で自分の経験を眺めたとき見えてくるのです。
やりたいことは探して見つかるものではなく、自分の経験と誰かの悩みが重なる場所に、すでにあるものなのです。
その「やってみたい」を仕事にする方法のひとつが「コーチング」

「誰かの役に立てそうだ」「この悩みなら力になれる」という気持ちが出てきたとき、それを仕事として成り立たせる方法のひとつがコーチングです。
「自分の経験をもとに、悩んでいる人の話を聴いて、一緒に解決策を考える」という働き方です。
コーチングというと、特別な資格や才能が必要だと思うかもしれません。
でも、実際のところ、「似た経験をしたことがある」「その困った状況をわかっている」ということのほうが、相手にとっては価値になることが多いです。
相手の話を聴いて、状況を整理して、自分の経験をもとに一緒に考えて課題を解決していく。
それがコーチングという仕事の基本的なかたちです。
「ありがとうございました。おかげで前に進めます」と、感謝されながら収入にもなる仕事です。
もちろん、コーチングがすべての人に向いているとは限りません。
ただ、「自分の経験を活かして、誰かの役に立ちながら働く」現実的な方法のひとつです。
まとめ:「やりたいこと」は探すのではなく、すでに持っている
今回は、「50代でやりたいことがわからない」という悩みの理由と、やりたいことを見つけるための考え方をお伝えしました。
やりたいことが見つからないのは、何もないからではありません。
長い間、会社のために力を尽くしてきたため、「やりたいこと」を考えてこなかっただけです。
これまでの経験を振り返ってみると、誰かの役に立てることが必ずあります。
それを整理して、「この人の悩みなら自分は役に立てる」と感じるものが出てきたとき、それがあなたの「やりたいこと」につながっていきます。
まずは自分が乗り越えてきた経験を紙に書き出すことから始めてみてください。
あなたの「やりたいこと」がわかり、50代以降の人生が豊かになるきっかけになればうれしいです。
「自分の経験をコーチングの仕事にしたい」という方へ
「自分の経験がどうコーチングの仕事になるのか、具体的に知りたい」という人へ「無料のオンライン講座」をお届けしています。
この講座では、ミドル・シニアの人が自分の経験を活かしてコーチングで働き始めるための、具体的な手順をお伝えしています。
興味があればまずは登録して、内容を確認してみてください。
