50代で「やりたいことがわからない」のは当然|3つの原因と見つけ方

「定年後はやりたいことをしよう」と思っていた。
だけど、いざその時期が近づくと「自分のやりたいことって何だっけ?」と思うことありませんか?
ゴルフはそこそこ楽しいけれど、会社の付き合いがなければ気が乗らない。
他の趣味を探しても、どれもピンとこない。
結局、やりたいことがないまま「定年後はどうしようか・・・」と悩む人は多いです。
でも、安心してください。
50代で「やりたいことがわからない」のは、あなただけではありません。
むしろ当然のことなのです。
この記事では、やりたいことがわからない3つの原因と、自分の「やりたい」を見つけるための具体的な方法をお伝えしていきます。
50代で「やりたいことがわからない」3つの原因

「やりたいことがわからない」と言っても、人によって理由は違います。
ここでは、50代の方に多い3つのパターンをお伝えします。
あなたがどれに当てはまるか、確認しながら読んでみてください。
原因①:「自分のやりたいこと」を考える時間がなかった
あなたが長年会社で働いてこられたのであれば、自分がやりたいことよりも
- 「会社が求めること」
- 「上司から指示された目標」
- 「部下の育成」
などを優先してきたはずです。
組織で働く以上、当たり前のことですよね。
でも、その反面、「自分は何をしたいか」を考えなくなります。
毎朝早く出社して、会社の指示で仕事をして、夜遅く帰宅する日々の中で考える時間もありませんよね。
こうした日常を何年も繰り返しているわけですから「自分のやりたいことってなんだろう?」と自問しても出てこないのは自然なことです。
つまり、「やりたいことがない」のではなく、「やりたいことを考えてこなかっただけ」です。
考えてこなかったのだから、すぐに出てこなくて当然。自分を責める必要はありません。
原因②:選択肢が多すぎて選べない
50代になると、逆に選択肢が広がりすぎて動けなくなる人もいます。
転職、副業、起業、資格取得、ボランティア、趣味を極める・・・
ネットで調べれば「50代からでも○○できる」という情報が山のように出てきます。
情報が多いこと自体は良いのですが、選択肢が増えるほど「どれが自分に合っているのかわからない」という状態に陥りやすいのです。
あれもよさそう、これも気になる。でもどれもピンとこない。
結果的に「何がやりたいのかわからない」という感覚になっている可能性があります。
このタイプの人は、選択肢を増やすよりも「自分が何を大事にしているか」という判断基準を先に持つことが重要です。
これについては、後ほど具体的な方法をお伝えします。
原因③:失敗が怖くて「やりたい」にフタをしている
本当はうっすらと「こんなことやってみたいな」と感じているのに、
- 「今さらそんなことを始めても遅い」
- 「うまくいかなかったら恥ずかしい」
- 「家族に迷惑をかけたくない」
という気持ちが先に立って、「やりたい」にフタをしてしまう。
これも50代に多いパターンです。
長年、責任ある立場で仕事をしてきた人ほど、「失敗できない」という意識が強くなります。
でも、「やりたいことがわからない」のではなく、「やりたいことを認める勇気がない」だけかもしれません。
自分の心に正直に耳を傾けてみてください。何か小さな興味や関心が浮かんでいませんか?
「趣味を見つけろ」は的外れなアドバイス

定年が近くなると、周りから「今のうちに趣味を作っておいたほうがいいよ」と言われます。
定年後、時間があるから「やりたいことをやったほうがいいよ」というアドバイスですね。
そこで陶芸教室、スポーツジム、旅行、ゴルフなどをやってみるわけですが、あまり長続きしなかったという声を聴きます。
なぜなら、定期的にやっていれば飽きがくるし、なんとなく満たされない感覚があるからではと思うのです。
満たされないのは、長い間、会社員として「誰かの役に立つこと」「結果を出すこと」の中にやりがいを感じながら働いてきたからです。
だから、趣味の時間だけでは物足りなく感じるからではないでしょうか。
実際、50代以降になると、「社会の役に立ちたい」という気持ちが強くなる傾向があります。
内閣府の「社会意識に関する世論調査」では、「社会のために役立ちたい」と答えた人の割合は、50代・60代が他の年代と比べて高い結果が出ています。
つまり、50代以降の人が本当に求めているのは「遊ぶ時間」ではなく、「自分が誰かの役に立っている実感」である可能性が高いのです。
「趣味を探してやりたいことを見つけろ」というアドバイスは的外れと言えます。
「やりたいこと」を見つけるための4つの方法

「やりたいことがわからない」状態から抜け出すために、4つの方法をお伝えします。
すべてやる必要はありません。自分に合いそうなものから試してみてください。
方法①:「嫌なこと」から逆算する
「やりたいこと」が出てこないなら、逆から考えてみてください。
「これだけは絶対にやりたくない」ことを書き出すのです。
- 満員電車で通勤するのはもう嫌だ
- 興味のない仕事を上司の指示でやるのは嫌だ
- 一日中パソコンに向かって数字を管理するのは嫌だ
- 誰ともしゃべらずに一人で過ごすのは嫌だ
こうやって「嫌なこと」を具体的に書き出していくと、裏側に「自分が本当に求めていること」が見えてきます。
例えば、「誰ともしゃべらずに一人で過ごすのは嫌だ」と書いたなら、あなたは人と関わることに価値を感じている人です。
「興味のない仕事を指示でやるのは嫌だ」と書いたなら、自分の意思で仕事を選びたい人です。
「やりたいこと」は、「やりたくないこと」の反対側にあります。
方法②:自分の「価値観」に優先順位をつける
「何をするか」の前に、「自分は何を大事にしている人間なのか」を整理してみてください。
以下のリストの中から、自分にとって大切なものを5つ選んでみてください。
- 自由(自分のペースで働きたい)
- 安定(収入が途切れない安心感がほしい)
- 貢献(誰かの役に立ちたい)
- 成長(新しいことを学び続けたい)
- つながり(人との関わりを大切にしたい)
- 承認(人から感謝されたい、認められたい)
- 挑戦(未知のことにチャレンジしたい)
- 家族(家族との時間を優先したい)
5つ選んだら、さらにその中で順位をつけてみてください。
この順位が、あなたの「判断基準」になります。
選択肢が多すぎて選べなかった人も、この基準があれば「自分に合うもの」「合わないもの」を振り分けやすくなります。
方法③:「乗り越えた経験」を書き出す
次は、これまで仕事やプライベートの中で経験してきたことを書き出してみてください。
特別なことでなくていいです。
- チームの対立を調整した経験
- プロジェクトが崩れかけたのを立て直した経験
- 部下の失敗をフォローした経験
- 育児や介護と仕事を両立した経験
- 理不尽な状況をなんとか乗り越えた経験
「そんな話、誰でも持っているでしょう」と感じるかもしれません。
確かに、似たような経験をしている人はいます。
でも、「チームがまとまらなくて困っている」「部下をどう育てればいいかわからない」という悩みを抱えている人は、今この瞬間も大勢います。
そういう人たちが求めているのは、教科書的なアドバイスではなく、実際に同じ壁にぶつかって乗り越えてきた人の話です。
同じ壁にぶつかったことがある人にしか、「どう乗り越えたか」を具体的に話すことはできません。
あなたの経験は、そのまま誰かが求めている話になるのです。
方法④:「誰が助かるか」を考える
方法③で書き出した経験を眺めながら、「今、同じ状況で困っている人は誰だろう?」と考えてみてください。
例えば、「パワハラ気質の上司のもとで、気持ちをコントロールしながら乗り越えた経験」があるのなら、
「今まさに同じような上司に追い詰められている人」を助けられると思いませんか?
「育児や介護と仕事を両立してきた経験」を書き出して、「同じ状況で追い詰められている30代の女性」を思い浮かべたとき、「あのとき自分がほしかったアドバイスを、伝えられるかもしれない」と思いませんか?
この4つをやってみると、「あ、これをやってみたい」が出てくる

方法①〜④を実際にやってみると、少しずつ「自分はこういう方向に進みたいんだな」という輪郭が見えてきます。
特に方法③と④をやってみた人は、「自分はこういう経験なら話せる」「この人の悩みなら力になれそうだ」と感じるものが出てくることが多いです。
その感覚が出てきたとき、「やりたい」という気持ちも自然に湧いてきます。
頭の中でいくら「やりたいことは何か」と考えても出てこなかったものが、「誰の役に立てるか」という視点で自分の経験を眺めたとき見えてくるのです。
やりたいことは探して見つかるものではなく、自分の経験と誰かの悩みが重なる場所に、すでにあるものなのです。
「誰かの役に立つ」を仕事にする方法のひとつが「コーチング」

ここまで読んでくださった方の中に、こんな気持ちが生まれた人はいませんか?
- 「自分の経験で、誰かの力になれるかもしれない」
- 「同じ悩みを抱えた人の話を聴いてあげたい」
もしそう感じたなら、それを仕事として成り立たせる方法のひとつがコーチングです。
「自分の経験をもとに、悩んでいる人の話を聴いて、一緒に解決策を考える」という働き方です。
コーチングというと、特別な資格や才能が必要だと思うかもしれません。
でも、実際のところ、「似た経験をしたことがある」「その困った状況をわかっている」ということのほうが、相手にとっては価値になることが多いです。
相手の話を聴いて、状況を整理して、自分の経験をもとに一緒に考えて課題を解決していく。
それがコーチングという仕事の基本的なかたちです。
「ありがとうございました。おかげで前に進めます」と、感謝されながら収入にもなる仕事です。
もちろん、コーチングがすべての人に向いているとは限りません。
ただ、「趣味では満たされない」「誰かの役に立ちたい」と感じている50代の方にとって、現実的な選択肢のひとつであることは間違いありません。
まとめ:「やりたいこと」は探すのではなく、すでに持っている
今回は、「50代でやりたいことがわからない」という悩みの原因と、見つけ方をお伝えしました。
やりたいことが見つからないのは、何もないからではありません。
長い間、会社のために力を尽くしてきたため、「やりたいこと」を考えてこなかっただけです。
まずはこの記事でお伝えした4つの方法のうち、どれかひとつを試してみてください。
- 「嫌なこと」を書き出して逆算する
- 自分の価値観に優先順位をつける
- 乗り越えた経験を書き出す
- その経験で誰が助かるかを考える
すべてやる必要はありません。
ひとつやるだけでも、きっと見えてくるものがあるはずです。
あなたの「やりたいこと」がわかり、50代以降の人生が豊かになるきっかけになればうれしいです。
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