キャリアコンサルタントの資格では食べていけない?原因と打開策を解説

養成講座に通い、30~50万円かけて、国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得した。

でも、会社では「へぇ、すごいね」と言われただけ。

業務内容も給料も変わらない。

なにか自分でやりたいけれど、どう始めればいいかわからない。

スマホで検索すると、

  • 「キャリアコンサルタント 食べていけない」
  • 「キャリアコンサルタント 役に立たない」

そんな記事ばかりが目に入る。

「やっぱり、この資格だけじゃ食べていけないのかな……」

もしあなたが今そう感じているなら、最後まで読んでみてください。

この記事では、なぜ「食べていけない」と言われるのか。

その構造的な原因を掘り下げたうえで、資格を活かして収入を得るための具体的な方法をお伝えします。

目次

「食べていけない」は本当か?

まず、現実を見ておきましょう。

労働政策研究・研修機構(JILPT)が2022年に実施した「第2回キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」(報告書No.227)のデータです。

正規雇用のキャリアコンサルタントのうち、キャリアコンサルティング関連の活動で全く収入を得ていない人が57.6%

約7割は、関連活動の収入が全収入の5%以下にとどまっています。

つまり、正規雇用で資格を持っている人の大半が、「資格はあるけれど、それが収入に直結していない」状態なのです。

もちろん、キャリアコンサルタントだけで食べている人も実際にいます。

でも、それはごく少数です。

こう聞くと、「やっぱりダメなんだ」と感じるかもしれません。

でも、大事なのは「なぜ食べていけないのか」という原因のほうです。

原因がわかれば、対策も見えてきます。

資格だけでは食べていけない3つの理由

「食べていけない」のには、明確な構造的理由があります。

あなた個人の問題ではなく、資格の仕組みそのものに原因があるのです。

理由①:業務独占資格ではない

キャリアコンサルタントは「名称独占資格」です。

「キャリアコンサルタント」と名乗れるのは資格保持者だけですが、キャリア相談という仕事自体は誰でもできます。

たとえば医師や弁護士なら、資格がなければその仕事はできません。

でもキャリア相談は違います。

資格がなくても「キャリアアドバイザー」「キャリアカウンセラー」「転職相談」と名乗って活動できてしまう。

実際、転職エージェントのキャリアアドバイザー求人を見ると、キャリアコンサルタント資格は必須どころか歓迎要件にすら入っていないことが多い。

求められているのは「営業経験」です。

つまり、資格を持っているだけでは「選ばれる理由」にならない。

これが1つ目の構造的な原因です。

理由②:養成講座ではビジネスを教えない

養成講座で学ぶのは、キャリア理論、カウンセリング技法、労働法規などで、どれも大切な知識です。

でも、ここに「集客の方法」「料金の決め方」「セールスの仕方」など、ビジネス視点の内容は含まれていません。

これは養成講座が悪いわけではありません。

そもそも養成講座は「企業内でキャリア支援をする人材を育成する」ことを前提に設計されています。

独立・副業し、お金を稼ぐことを想定したカリキュラムではないのです。

だから多くの方が、養成講座を終えた瞬間に「次に何をすればいいかわからない」という状態に陥ります。

実際、私がご相談を受けた方も「養成講座の仲間と話しても、みんな同じように『次どうしよう』と迷っている」とおっしゃっていました。

こうなってしまうのは仕方ありません。

なぜなら、資格を取得したあと、どうビジネスにつなげていけばいいのか、誰も教えてくれないからです。

理由③:「キャリア相談にお金を払う」文化がまだ薄い

日本では「キャリアの悩みは家族や友人、先輩に相談するもの」という感覚がまだ強いです。

「キャリア相談にお金を払う」という文化も十分に浸透していません。

あなたは、家族や友人に「キャリアにお金を払って相談する人いるの?」と言われたことはありませんか?

この言葉は、グサリと刺さりますよね。

でも、思い出してみてください。

コーチングも、10年前は「コーチにお金を払うなんて」と言われていました。

今では経営者や管理職がコーチをつけることは珍しくありません。

これから、「お金を払ってキャリアの相談をする」という選択肢が広まっていく可能性は十分あります。

「資格=食べていける」の思い込みを手放す

ここまで読んで、「じゃあ資格を取ったのは無駄だったのか」と感じたかもしれません。

安心してください。

無駄ではありません。

ただ、1つだけ手放したほうがいい思い込みがあります。

それは「資格を取れば食べていける」という考え方です。

これはキャリアコンサルタントに限った話ではありません。

コーチやカウンセラー、セラピストの資格でも、士業の資格でも、「資格を取っただけで食べていける」ということは、まずあり得ません。

なぜなら、資格はあくまで「スキルの証明」にすぎないからです。

資格があるだけでお客さんがきてくれるわけではありません。

レストランで考えるとわかりやすいかもしれません。

調理師免許を持っているだけでは、お店にお客さんは来てくれませんよね。

どんな料理を出すのか、誰に届けたいのか、どうやって知ってもらうのか、リピートしてもらうにはどうするか。

ビジネスとして回すための仕組みが必要です。

キャリアコンサルタントも同じです。

資格は持っていても、誰に・何を・どうやって届けるかという仕組みづくりが必要です。

逆に言えば、ビジネスの仕組みさえ作れば、キャリアコンサルタント資格は大きな武器になります。

資格を活かして食べていく3つのステップ

では、具体的にどうすれば「食べていける」状態を作れるのか。

3つのステップでお伝えします。

ステップ①:あなただけの「専門領域」を決める

キャリアコンサルタントの多くが陥る落とし穴は、「誰でも相談に乗ります」というスタンスで始めてしまうことです。

せっかく資格を取ったのだから幅広く対応したい。

その気持ちはわかります。

でも、「誰でもOK」と言われても、悩んでいる本人からすると「この人は本当に私の悩みをわかってくれるのかな?」と思ってしまいます。

間口を広げるほど、かえって誰の心にも届かなくなるのです。

そしてもう1つ、もっと根深い落とし穴があります。

私がキャリアコンサルタント資格を持つ方の相談を受けていて強く感じることがあります。

それは「キャリアコンサルタントだから、キャリアに関する相談をしなければ」と、

自分の可能性を”キャリア”の枠にはめてしまっている方が非常に多いということです。

「キャリアコンサルタント」という資格名なのだから、キャリアの相談業務をするのが当然。

そう思いますよね。

でも、考えてみてください。

「キャリアについて相談したい」と思って検索する人は多くありません。

人が本当に検索するのは、もっと具体的な悩みです。

  • 「会議で自分の意見が言えない」
  • 「人前でプレゼンすると頭が真っ白になる」
  • 「部下を持ったけどリーダーシップに自信がない」
  • 「職場の人間関係がしんどくて毎朝つらい」

こういった切実な困りごとです。

これらは「キャリアの悩み」でしょうか?

広い意味ではそうかもしれません。

でも本人にとっては、「自分のコンプレックス」であり「人間関係の苦しさ」です。

「キャリア相談」という言葉では、こうした人たちには届きません。

だから、「キャリア相談」の枠に自分を閉じ込める必要はないのです。

たとえば、あなたの今までの人生経験を丁寧に掘り下げてみてください。

  • コミュニケーションの悩み
  • 人間関係の苦しさ
  • 自信のなさ
  • リーダーシップへの不安
  • コンプレックス

こうしたいくつもの悩みや不安を乗り越えてきたのではないでしょうか。

その中には、人の役に立てる引き出しがきっと見つかるはずです。

それらを学んだカウンセリングスキルと掛け合わせて自分だけの商品やサービスにしていく

それが、専門領域を決めるということです。

実際に私がサポートした方の例をお話しします。

長年、看護師として働いてきた方がいます。

この方は看護師としての経験×カウンセリングスキルで、看護師向けにカウンセリングを学ぶ講座を開催し、受講者を集めました。

さらに、今はヘッドスパとカウンセリングを組み合わせた、まったく新しい事業をはじめて活躍されています。

ヘッドスパで身体の緊張をほぐしながら、カウンセリングで心も整える。

身体と心の両面からの新しいアプローチです。

こうやって自分の専門分野を絞っていくのは怖いかもしれません。

でも、絞るからこそ「この人に相談したい」「このサービスを受けたい」と思ってもらえるのです。

ステップ②:経験を「選ばれる理由」に変える

専門領域が決まったら、次はそれを言葉にして伝える段階です。

ここでありがちな間違いは、「国家資格キャリアコンサルタント取得」という肩書きを前面に出してしまうことです。

一般の方には「キャリアコンサルタント」という資格の価値はなかなか伝わりません。

「資格を持っています」と伝えても、「ふーん、で?」と思われるのが現実です。

大事なのは、あなたの経験を、悩んでいる人の言葉で語ることです。

たとえば、「カウンセリングができます」ではなく「会議で発言を求められるたびに声が震えて、そんな自分が情けなかった。そこから変われた経験があります」。

この解像度の差が、「この人に相談してみたい」と思ってもらえるかどうかの分かれ目です。

資格は信頼を「補強する」材料にはなります。

でも、選ばれる理由の中心は、あなたが乗り越えてきた経験とそこから紡がれる言葉なのです。

ステップ③:ビジネスの仕組みをつくる

専門領域が決まり、選ばれる理由が明確になったら、最後に「ビジネスの仕組み」を作ります。

「ビジネスの仕組み」と聞くと難しそうですが、やるべきことはシンプルです。

①見つけてもらう(集客)

どれだけ良い商品やサービスを作っても、存在を知られていなければ申し込みは来ません。

まずは「自分が何をやっている人なのか」を知ってもらうことが最初の一歩です。

そのためには、あなたの専門領域に合った場所で発信することが大切です。

看護師向けのサービスなら、看護師が集まるコミュニティやSNSグループで発信する。

「人前で話すのが苦手な管理職向け」なら、同じ悩みを持つ人が検索するキーワードでブログを書く。

大事なのは「たくさんの人に知ってもらう」ことではありません。

「あなたを本当に必要としている人に届ける」ことです。

②信頼してもらう(信頼構築)

見つけてもらった後、いきなり「相談してください」ではハードルが高すぎます。

まずはSNSやメルマガ、DMでのやり取りを通して、「この人の話、参考になるな」と思ってもらう段階を作ります。

あなたの経験談、考え方、過去のクライアントの変化などを継続的に発信し「この人に相談してみたい」と思ってもらえる関係を築いたうえでセールスにつなげます。

③適正な価格で届ける(セールス)

コーチやカウンセラーで「お金をいただくのが申し訳ない」と感じる方は少なくありません。

でも、考えてみてください。

あなたは30~50万円以上かけてスキルを学び、さらに何十年もの人生経験を積んでいます。

その知識と経験をもとにした相談は、クライアントにとってこの先の人生を左右する可能性があるのです。

つまり、それだけ大きな価値があるということです。

最初は無料や、ワンコイン、1,000円〜3,000円の「お試しセッション」から始めても構いません。

大切なのは、そこからステップアップして適正な価格を設定していくことです。

安い価格のままでは、たくさんの件数をこなさないと収入になりません。

それでは疲弊してしまい、続けられなくなります。

あなたのサービスに価値を感じてくれる人に、適正な価格で届ける。

その流れをつくることが、食べていくために重要になります。

まとめ:「キャリア相談」の枠を外すことから始めよう

「キャリアコンサルタント 資格 食べていけない」

そう検索してしまうのは、裏を返せば「この資格をなんとか活かしていきたい」という想いがあるからではないでしょうか。

その想いがある限り、活かしていく道はあります。

ただ、「キャリアコンサルタントだからキャリア相談をしなければ」という枠に自分を閉じ込めてしまうと、可能性が狭まります。

まずはその枠を外すことから始めてみてください。

あなたの人生経験の中には、キャリア以外にも人の役に立てる引き出しが必ずあります。

それを見つけて、自分だけの商品にしていく。

その一歩が「食べていける」未来につながります。

この記事が少しでも参考になればうれしいです。

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